• 2020年8月30日日曜日
アリスト戦記
アリスト戦記 https://blog.aristo-solutions.net/2020/08/blog-post.html

中国の思想(1)韓非子 読書感想文

僕は中国古典が好きで勉強しているのだが、その理由は、中国古典はシステム開発に転用出来ると考えているからだ。

僕の考えるシステム開発の本質、それは「虚々実々」だ。

  • 虚なるを実とし、実なるを虚とする。

虚実混合、それがシステム開発なのよ。

  • 見積もりはデタラメ。
  • スケジュールは全然足らん。
  • 要件は曖昧。
  • 基本設計は欠落。
  • 詳細設計は非合理的。
  • 実装はボロボロ。
  • テストは手抜き。
  • リリースはうっかりミス。

これこそがシステム開発の真実の姿である!!
即ち、システム開発者が真実に身に付けるべき能力、それは虚を虚と気付く能力なのだ。

とは言え、「そんなこと言ったってどうやってそれを鍛えるのよ?」という面がある。
僕はその答えを韓非子に求め、この本を手に取った。



頑張って読むぞ!!(`・ω・´)

万人向け

韓非子は元々は焚書坑儒も上等秦の始皇帝の愛読書として知られるから、権力者たる経営者向けの本だというイメージが強い。
しかし、読んでみると君主向けの章だけでなく、下っ端向けの章も結構ある。

そもそも作者の韓非子は、元々は韓の公子だったんだけど、韓で相手にされなかったらか秦に流れて行った果てに謀略に遭って死ぬ羽目になる辺り、現代のサラリーマンの悲哀がある。(´・ω・`)

そんな下っ端向けの教訓として使えそうなのは、やっぱり「説難」だろう。

  • 正しい理屈を述べることはそれほど難しいことではない。それをタワケに理解させるのが難しいのだ。
  • 正しい情報を得るのは難しいことではない。それを知った後でどう行動するかが難しいのだ。

社会生活をやってると、「どうしてこんな簡単な事が分からんのだ、このアホは?」みたいに思うことがよくあるんだけど、それはそういうものとして心得ている必要がある。
余り固執すると、下手すりゃ殺されてしまう。

例を挙げると、ちょうど最近、アパレル企業大手のレナウンが解体の憂き目に遭ったところなんだけど、

長年の経営不振により優秀な人材の流出も激しく、会社の再生に向けた戦略を練ることができる社員はほとんど残っていなかった。

レナウンがどんな経営をやっていたのかは知らないけど、やっぱり大企業だから、元々は優秀なグローバル人材みたいな社員も多くいたということだろう。
しかし、いくら熱弁を奮っても経営陣を説得することが出来ず、そういう社員は諦めて早めに逃げ出しちまったんだろうな。

この辺りのカラクリも、韓非子の「説難」と突き合わせると整理がつく。

どうして、優秀な社員がいるのに、会社を立て直すことが出来なかったのか?
有効な経営戦略、営業戦略を考案することは簡単だが、それを上司に通すのは優秀な社員であっても難しいからだ。

今の会社で「自分の考えには自信があるんだけど、どうにも上司には理解されないなぁ」みたいに思っている人は、一度この本を読んで心の整理をするのが良いのではないだろうか。

システム開発の法術

さて、システム開発の話に戻るが、とにかくシステム開発というのは、基本的にデタラメ祭り。3歩歩けばデタラメに当たる。
厄介なのは、それが表面上は正しいかのように装いされている所にある。

さて、「肝心なのはどうやってそれを見抜くか?」なわけだが、韓非子にはその辺について七つの法術が記載されている。

  • 報告内容と実際の仕事内容が一致しているか、照合せよ
  • 勝手なことしているヤツは処刑せよ
  • 真面目に仕事している人に重要な仕事を与えよ
  • 大規模プロジェクトの大人数の中に紛れ込んで誤魔化している不届者を見つけ出して処刑せよ
  • 意表を突いて相手をビビらせてみる
  • ワザとアホな顔して相手の反応を見ろ
  • 敢えて間違ったことを言って相手の反応を見ろ

流石韓非子、デンジャラスな内容である。(;´^ω^`)

マネージャーともなるとこの辺も駆使してプロジェクトを統治していかなければならないのだろうが、基本はやっぱり一番最初の「照合」だろう。


  • その資料だけを見ていても、正しいか間違っているかよく分からない。
  • だから別の資料や情報を付き合わせてチェックする必要がある。


例えば、要件定義フェーズで客から要件を聞くでしょ?

( ゚Д゚)「こういうこういうシステムを作ってくれ」
(´・ω・`)「はい、分かりました」

だと100%失敗するんだよね。


( ゚Д゚) ← コイツの言っていることはデタラメだ!!


だから、席に戻ったら、聞いた話を別の何かと照合して裏を取る必要がある。
例えばSQLを流してデータベースのデータに登録されている件数を確認する、とか。

そうすると客から聞いた話と実データの間に矛盾が生じていることが浮かび上がってくる。

それを持って改めて聞いてみると、


( ゚Д゚)「先日言ったことは基本そうなのだが、偶に例外がある」


テキトーなこと言いやがって。ちゃんと全部吐け!!


と、システム開発は一事が万事、全部がコレ。上から下まで、常に相手はデタラメを言っている。

このように、韓非子はデタラメに騙されないことの重要さとコツを繰り返し説いてくれる。
システム開発には重要なことだし、何事にも転用できる話だと思う。

まとめ

このように、韓非子は本来は古代中国の国家運営をテーマにした本であるが、人間の根本的な性質という点は昔と変わらないから、
現代においても会社経営やシステム開発など、色々な面に転用して役に立てることが出来る。

本自体も、難しそうに見えて案外分かり易く書かれており、そんなに身構えずに気軽に読める程度の内容です。

万人にオススメ。誰でも気軽に読んでみると、今困っているモヤモヤとかもすっきり整理出来たりするのではないかと思います。

とても良い本でした。

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