• 2020年2月5日水曜日
アリスト戦記
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「失敗の本質」読書感想文

最近また長距離通勤が再開してしまったので、少しでも時間を有意義に使わねば、と読書に励んでいる。

最近読み終えた本は、前々から気になっていた有名な書籍、「失敗の本質」だ。



第二次世界大戦当時の日本軍を題材に、組織が本来持ち合わせているパフォーマンスを発揮せず、見当違いの迷走を続け、機能不全に陥るメカニズムについて述べられている。

が、この本は余りに難しいので読むのを途中で諦め、失敗の本質の解説書であるこちら、「「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ」を読むことで代用とした。(;´^ω^`)



以下は「超」入門 失敗の本質をベースの感想である。

実体験と一致する

よく言われるのは、「成功に法則には無いが、失敗には法則がある」というもので、成功する為にはその時の時勢に応じた機に敏感な感性が要求されるから何とも定義出来ないんだけど、失敗する場合は常に同じ愚を犯すパターンがある、というものだ。

僕は「この組織は最早マトモに機能してないなぁ」と匙を投げてギブアップしたことが過去3回あるのだが、その3回が3回全て、この失敗の本質に記載されている事と適合性がある。

その為、本に書かれている内容と実際の経験を突合することで、大変妥当性のある整理された組織論の本だと評価する。

失敗の事例

失敗する組織の特徴。箇条書きで挙げていくと以下のようなところか。

  • 成功に結び付かないことに注力している。
  • 過去の成功体験のコピーしか出来ず、過去の成功体験が通用しないケースに対応出来ない。
  • 新しい創造を持ち込めない。例えば、新しい便利なツールが登場してもそれを採用できず、今までの非効率なやり方を踏襲し続ける。
  • 同じ過ちを何度でも繰り返して敗北し続ける。
  • 組織が上手く回らないのは、社員一人一人にやる気が無いから」と考えている。
  • 現場の情報が上部にフィードバックされない。
  • 現場の情報を中間管理職が都合よく改変して経営者に報告する。
  • 経営者は自分の目で状況を見ておらず、改変された嘘報告だけを聞いて信じ込む。
  • 権威主義。上司は「上司だから」という理由のみを以て合理性の無い話を正当化し、地位と権威を振りかざす。
  • 「この上司には何を言っても無駄だな」と、部下は諦めている。
  • 知らんぷりを決め込む。問題に気付いても黙っている。
  • 上司に従順なこと以外に取り柄が無い、能力が低い人間が管理職を務めている。
  • 上司が部下を侮蔑している。
  • 部下も上司を侮蔑している。
  • 空気と感情が合理性を上回る。例えば、「言い出し辛いから」という理由で、言うべきことを言わない。
  • 既に出してしまった巨額の損害が惜しくて、撤退を決断出来ない。
  • 自分の信じたい情報のみを拾い上げ、不都合な報告は無視する。
  • 「不退転の決意」と「リスクマネージメント」をゴッチャにしている。

これが最悪だ!!

ズラ~っと挙げたけど、僕の経験上、これらは一つ一つが問題と言うよりは、問題組織は全部を綺麗に網羅していると思う。
相関関係がある話だ。

例えば、「ウチの上司は現場の事が全然分かっていない。でも立案している経営戦略は正しくて利益は毎年上がっているんだよね」なんて基本無くて、現場の事が分からん上司は話もトンチンカンで、人の話も聞かず、部下を馬鹿にしており、立場を利用して部下を威圧し……というように網羅的に全部ダメ、というのが殆どではないか?

結局は「厳しい現実と向き合う度量が無い」というのが最初にあって、現実逃避する為の材料探しをした結果として、こういう行動に出るんだから。
根本的には気持ちの問題、感情的な話であろう。

その中でも、特にコレ。
この状態に陥ったら最悪、その組織は末期症状だ、と言えるクリティカルな事象を狙い撃ちするとすれば、僕はここだと思う。


  • 上司は、状況が改善しないのは部下にやる気が無いことが原因だと思っている。
  • 部下は、「この上司には何を言っても無駄だ」と諦め、知らんぷりしている。


この上司vs部下の他責合戦。これが起きたら救いようが無い。

と言うのも、この状況に陥った場合、上司は「状況が改善しないのは部下にやる気が無いことが原因だ」と思っているわけだけど、実際、部下は本当にやる気が無いんだよね。

「やる気が無い」という点は本当である。
床にゴミが落ちていても拾わないわ、設計書の記述が乱雑で意味が分からないわ、部下同士の簡単な申し合わせも行わないわ……。
ちょっと気を引き締めれば遂行可能な僅かな仕事も手を抜いている。

じゃあ、やる気を出してその辺りを正せば問題が解決するかと言うと、そうでもない。
根本的な原因は上司の方針が間違っているからであるから。

つまり、


  • 部下にやる気が無いというのは本当だけど、問題の核心を握っているのは上司の方である。


この状態に陥ると全てがゴチャゴチャになってしまう。
だって、この状態を改善する為に必要なのは、上司の説得でしょ?

説得する為には、


  1. 問題の根本原因は、メンバー個人のやる気ではない。
  2. 上司の掲げているプロジェクト方針が原因がある。


という二段で論調を構成する必要があるんだけど、メンバー個人個人にやる気が無いって部分は確かに本当だから、論調を構成出来ない。
説得する為の道筋が崩落してるねん。

結果、


  • 問題の原因は上司にあるが、部下はそれを言わず、知らんぷりを決め込んでいる。
  • 上司は部下に問題があると思い込んだまま、考えを改めるキッカケが無い。
  • 結果、過ちを修正する機会が無く、永遠に迷走し続ける。


人間関係デッドロック
これが破綻した組織の最後の最後、末期症状であるというのが、僕の経験上の感想である。

だから、失敗の本質を手短に纏めるとすれば、


  • 問題を問題と気付く機会を得られるように人間関係を構築するべし


ここに帰結するというのが、本書の感想だ。

失敗の本質の論点は、軍隊や会社に留まらず、家庭や自分個人においても戒めとして覚えておくべき内容だった。

重々注意して生きていきたいと思う。

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