• 2019年3月6日水曜日
アリスト戦記
アリスト戦記 https://blog.aristo-solutions.net/2019/03/blog-post_6.html

三菱食品インテック訴訟の見積もりを分析

127億円の損害賠償になっている三菱食品vsインテックの裁判だったが、実際どんなもんだったんだろう?

[スクープ]127億円の賠償求めるシステム裁判、三菱食品がインテックを訴えた理由

記事に出ている情報から見積もりを分析してみよう。

工数

まずは工数だ。
三菱食品からインテックに支払った金額は30億円と出ている。

対してインテック側の単金がいくらだったのかは不明だが、インテックはそれほど高い単金を要求する会社ではない。
中堅層の投入で120万くらいだろう。
しかし、大規模プロジェクトで投入されるメンバーの過半数は協力会社の寄せ集めだから、平均単金は純正インテックプロパーよりも下がる。
ここから鑑みると、平均単金を100万円と仮定して計算を進める。

  • 30億 ÷ 100万 = 3000

このプロジェクトの工数は3000人月だ。

納期

では、3000人月のプロジェクトを消化するのに必要な納期はどれくらいか?

この資料に基づくと、全体工期は全体工数の3乗根(立方根)の2.67倍であるとされている。


この方程式を3000人月に当てはめる。

  • 3000の立方根 = 14.4
  • 14.4 × 2.67 = 38.4

つまり、このプロジェクトの妥当工期は3年2ヵ月だ。

しかし、記事によると、

  • インテックが本件の契約を結んだのは2014年5月だった。
  • 最初から遅延が発生し、2016年に入っても遅延は解消しなかった。
  • 2017年4月から体制縮小、5月で打ち切り

プロジェクト打ち切りまで3年か。
ってことは、実際の納期はもっと短かったんだろう。

38ヵ月の工期の短縮限界は20%OFFの30ヵ月で、実際の納期も2年と半年くらいだったんじゃないだろうか。

インテックのような大企業には受注時の査定・指標値があるから、その指標値を逸脱するような契約はありえない。
これらを踏まえると、滅茶苦茶ってわけではないににしても、理論値ギリギリの短納期で契約を結んだのではなかろうか?

人数

では、工期を30ヵ月と置いて、プロジェクト人数を計算してみよう。

  • 3000人月 ÷ 30ヵ月 = 100人

平均100人か。
部署1コだな。
インテックなら無理の無い人数である。

って、これ、全然足りなくない?




作業量

記事によると、やらなければならない作業は取引先3000社の移行である。

30ヵ月のうち、3ヵ月くらいは要件定義とかやってるから、メンバーが開発作業に費やす時間は27ヵ月程度だろう。
27ヵ月で3000社を遂行するには、月110社のペースで片づけていかねばならない。

これは無理だろう!!
会社毎に個別にクソソースの仕様があるんだから、

  • 設計(=仕様解析)担当:1人
  • 製造担当:1人
  • テスト担当:1人

の3人は必要。
このメンバーが1ヵ月働いてようやく1社消化できれば上々だろう。

つまり、330人必要な作業を100人でやろうとしたのではないか?

取引先70社の移行作業を完了させるはずだったが、実際に完了できたのは1社にとどまった。

これだったら、このぶっちぎりの遅延も納得できる乖離である。

原因は見積もりの乖離

以上のことから、僕の見解としては、この案件は元々見積もりから根こそぎ破綻していた。
プロジェクトマネジメントとかそういう話ではない。

  • 三菱食品は、妥当値の3倍安い金額で発注し、インテックは受注してしまった。
  • 当然破綻した。
  • しかし、三菱食品は「契約したんだから3倍安くても完遂しろ!!」と要求し、インテックは拒否した。
  • 結果、裁判となった。

こういう話だろう。

だから、まあ、プロジェクトの失敗は開始前から決まってたんだな。
後は「契約」ってのが裁判でどう解釈されるかって所が争点だが、そこは今後の行く末を見守るしか無いか。。。

2 件のコメント:

  1. 実際は設計、製造、テストの他に現行システムの調査要員がいました。

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    1. 中の人ですか?
      当てずっぽうで好き放題書いちゃって恐縮です。
      なかなか理論通りに開発は進まないものですね。

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